“ガチャ”とかそんなレベルじゃなくて、


ガッチャーンドンっ!!

って音で勢い良くドアを開けた4人は、

それぞれ瞳をまんまるにしてフリーズを始めた。



するとコウくんは



「な?起こしに来ただろ?」



って、私にまたがったまま私の肩に手を置いて、いつもの人懐っこい笑顔を浮かべた。


すると



「‥ 洸 一 朗 ‥」



静かで低い声が、お風呂場に響いた。


声の主へ振り返ると、その切れ長の蒼っぽい瞳にこれでもかってくらい怒りを宿らせ、

鋭いビームが出るんじゃないか ってくらい恐い顔の、



狼が立っていた‥。






ーーーーーー‥





それから‥


なんとかみんなに出てってもらい、部屋着を着た私。


リビングに戻ると、

『魅をコウから守ろう会議』

なるものが開催されてた。



なぜかみんな怒りを抱きつつ、大真面目だったもんだから‥



「ぷっ‥」



笑いが‥とまんない。



「あははははははははははーー‥」



お腹いたいー

苦しいー



「ぷはっもうだめ」



あはははははははははははーー‥



最初に笑い始めたのはコウくん。


続いて

颯斗も

海斗も

拓弥さんも

蒼まで‥




ほんとに私は幸せだ。



ずっとずっとここに居たい。


ずっとずっと笑っていたい。


ずっとずっと涙なんか流さずに


ずっとずっと‥




みんなと‥居たい。





ーーーーーー‥






黒い猫を中心に

回り始めた歯車。




少しずつ少しずつ



崩れて行くの。



それはまだ‥


気付かずに。