答えは、さかのぼること1時間前ーー‥





ーーーーーー‥





『ごちそうさまでした』



6人で一緒に食事を終え、いつものようにハイテクな食洗機に入れる。


いつからか

ピンクのお茶碗と、ピンクの猫が描いてあるお箸が用意されていて、

私専用になってる。


誰が用意してくれたんだろね?



リビングに戻ると、

蒼‥は電話を受けて自分の部屋に戻って行った。

去り際に私の頭をぐしゃって撫でて、ふんわりと笑いながら階段を上がり始める。



どきんどくん‥



まただーー‥



蒼が笑うと、心臓は過労働を始めるのが日課になりそうだ。



「「もう音楽祭の準備なわけ?」」



だるそうに
嬉しそうに

声をハモらせる海斗と颯斗は、拓弥さんの肩に腕を乗せながら、拓弥さんを挟んで座る。


拓弥さんはフチなし楕円形の眼鏡をかけて、ガラステーブルの上の書類とにらめっこ始めていた。


拓弥さん‥眼鏡が似合い過ぎです~!



「ん?どうしたの?魅ちゃん」



あ‥あまりにも綺麗すぎる3ショットに見とれてました。

なんて言えません!


そうだった!

5王子はイケメン揃い。
2人の親友は美女揃い。


すっごい人たちと仲良しになったな♪



「魅ちゃん?」

「「何またフリーズしてんだよ」」



心配そうにその紅茶色の瞳を向ける拓弥さんに、少しドキッとしたわけで‥



でも、

海斗と颯斗が爆笑を始めるから、そんなことは吹っ飛んだわけです!



「私、お風呂に行ってきます!」



3人で私の顔を覗き込むようにするから。

息がかかりそうなくらい、その綺麗な顔たちが近いから。


なんかちょっと恥ずかしくなって、すくっと勢い良く立ち上がり、

着替えを取りに行ってからお風呂場へ向かった。



海斗は海斗なのに

颯斗は颯斗なのに

拓弥さんは拓弥さんなのに



なんか急に


拓弥さんのキスや

海斗のキス‥

颯斗のごつごつした大きな手のぬくもりを‥



思い出してしまった。




顔が‥熱いーー‥