少し顔を赤らめて

蒼に手を引かれて

ピンク色のゴンドラから降りてきた魅。



きっと、蒼となんかあったんだろう。



少し‥イラっとした。



だから、蒼がコウにかまって魅から離れていた時を狙って、魅の手を掴んだ。



コウがうるさかったけど。




魅は、

確実に蒼に傾いている。



そんな事‥わかってる。



でも

僕は魅が好きだ。



ついに、言っちまった。あいつに‥


だけど、後悔はねぇ。




正直 限界だった。


あの、見上げる時のまっすぐで真っ黒なでかい瞳。


頭を撫でると嬉しそうに笑う顔。


“颯斗”と呼ぶ声。


無防備な寝顔‥




僕は


魅が


欲しい。




欲しいんだ‥





ーーーーーー‥





でも、


海斗に魅を諦めて欲しくなかった。



あんなに‥



あんなにっ



僕にまで


苦しみが伝わって来る程、魅を愛してる海斗。



魅を想って涙を流した海斗。




海斗の天秤は今、

“仲間”の蒼と
“愛しい”魅だ。



ゆらゆらぐらぐらと
揺れる天秤。



海斗がどう出るかはわかんねぇ。



でも‥

諦めようとして苦しむ海斗なんか


見たくない

感じたくない



それは、

僕の中の真実。





ーーーー‥





海斗に諦めて欲しくない


僕は魅が欲しい




ーー‥矛盾だ。




僕の天秤はきっと

海斗よりも難しい。




ゆらゆらぐらぐらと
揺れる天秤は


どっちに傾くべき?




でもーー‥



もしも‥


海斗が魅を選んで

魅が海斗を選んだら




ーーーーーーーー‥





僕は、1人ぼっちに


なるの‥かな?