あったかい‥
蒼さんの腕の中。
ずっとこうしていたいと思う。
確実に寿命は短くなるだろうけども。
ーーーーーー‥
『ぼくのためにうたってね』
『俺の為に唄え』
あの子と蒼さんがかぶる。
この強くて優しい瞳。
もしかして‥
もしかしたらーー‥
ーーーーーーーー‥
「名前」
「ふぇ?」
「俺の名前。もう1度、呼べ」
‥もう1度?
「メリーゴーランド降りた後、ちっこいのに言ってた」
ちっこいの?
もしかして柚子のこと?
うふふちっこいの。
あ、
『蒼さんが助けてくれたからヘーキ』
あの時?
「呼べ」
へ?
え‥えとーー‥
「そ、蒼‥さん」
少し恥ずかしくって、俯くことしかできなくて。
すると、ふわっと顎を引かれてーー‥
ちゅっ‥
触れるだけのキスを落とした蒼さんは、その蒼みがかった強い瞳で私を見つめた。
恥ずかしくって
顔が熱くって
心臓が働き過ぎで
なんか、涙が出てきそうだった。
「“蒼”でいい」
「そ‥う?」
「あぁ」
蒼が嬉しそうにふんわり笑うから。
また私の心臓が悲鳴をあげてる。
この気持ちはなんなんだろう?
優花に‥聞いてみようかな?
「その瞳で見上げんな。ーー‥抑えが効かなくなる」
最後はボソッとつぶやいたから、聞き取れなかった。
見上げちゃ‥いけないのかな?
見下ろせば良い?
でも、身長的に見下ろすなんて無理だよね?
え?
私、どうやって
蒼さ‥
あいや、どうやって蒼を見れば良いんですか?
私の頭は、色んな意味でまたフリーズを始めるわけで‥
2人を乗せたそのピンク色のゴンドラは、
ゆったりと
みんなの元へ
帰ってゆくの‥