片翼の天使


「みぃちゃん可愛いっ」



いつもみたいに抱きつく柚子。



「早く下いこっ」



優花に手を引かれ、柚子に背中を押されて階段を降りてく。

ポニーテールになってる髪の毛が、ゆらゆら揺れて面白い~。

今まで、アップにしたことなかったからなぁ。


赤いシュシュに合わせた、先っぽの丸い白い紐リボンのついてる、ぺったんこの赤い靴を両手に持って。



「じゃーんっ」



という柚子の声でみんなの前へ登場!!





ーーーーーー‥





ん~‥この沈黙は何かな?

似合わなかったかな?



みんなの目が丸い。

ふふっ、面白い♪



「どーしたんですかぁ?我らがお姫さま、みぃちゃんですよぉ~」



って、ずずんと前に出された私。

優花が不敵な笑みを浮かべてて恐い。



「やべっ‥」



いつもなら柚子みたいに、いの一番に抱きつくコウくんが‥来ない!!


それどころか、ソファーに座り込んで両手で顔を覆っている。


ちょっと‥寂しい?



「魅ちゃん、スッゴく可愛いよ」



って抱きしめてくれたのは拓弥さん。

えへへ♪嬉しかった。

実は、初めてのお化粧だったから自信がなかったの。


あっ!いや別に、優花を信じてない訳じゃないんだよ?

優花は美の天才だしね!


「可愛い。魅はやっぱ、そーいうカッコも似合うよな。僕らが入れといた服、全然着てくれないんだもん」



頭をゆっくり撫でる颯斗。

ごめんね?颯斗。
クローゼットの存在を、さっき知ったんだよ‥。

ふわっと頬が暖かい手に撫でられたと思ったら、



「ん、ちゃんと使ってくれたんだ。やっぱ魅には、この色が似合うと思ったんだよ」



と綺麗に微笑む海斗。

あ‥いつもの海斗だ。


良かった。

海斗がいつもの海斗なら、私もいつもの私で居られるもんっ。



ふと、

ぐいっと右手を掴まれて、ぽすんと誰かの腕の中に入った。

この感じは‥蒼さんだ。


蒼さんは、私のポニーテールが気に入ったのか、ゆらゆらして遊んでる。

可愛い‥


一旦、髪の毛で遊ぶのを止めて、ぎゅっと強く抱きしめた蒼さんは、



「行くぞ」



って、私の手を引いた。