片翼の天使

優花と柚子に連れられた私は、私の部屋のドレッサーに座らされる。

ーー‥もしかして



「その通りよっ」



と、ニィって意地悪く笑うエスパー優花。



「ゆーちゃぁん、お洋服はどれにするぅ?」



私が開けたことのないクローゼットを開けている、楽しそうな柚子。

綺麗なお洋服がいっぱい並んでるのが、鏡越しに見える。


ーー‥誰のだ?



「橙向兄弟が用意してくれたのよ」

「お洋服もそこにあるお化粧品も、ぜぇんぶ用意してくれてたんだよぉ?」



え?



「みぃちゃん、1度もクローゼット開けてないでしょぉ!」



少し頬を膨らませた柚子は可愛いわけで‥

言いなりになっちゃう私は‥弱い。


ふふっ

結局、お洋服は柚子チョイスで。

黒いロンTにパフスリーブの白の半袖を上に着て、胸下まであるペンダント。

紺×白チェックの、すねの真ん中くらいまである長いスカートは、裾にガーゼのフリルが付いてて‥


可愛い‥

さすが柚子!!



「さぁて、あとは私ね」



なんか、いっぱい塗りたくられてる私。

ん~‥なんか気持ち良いかもっ。



「みぃ、目ぇ閉じてて?」



うむ~‥



「ゆーちゃん、髪の毛どーしよっかぁ」



髪の毛をわさわさと触られて、ちょっとくすぐったい。

私をいじる2人の手は、すごく優しい。


うふー♪

初めてのお化粧。
なんか、わくわくだぁ。


んで?

どこ行くのかなぁ?


なんで私にお化粧してるのかな?



優花と柚子は、1度お家に帰ったみたいだ。

私服だもん。


2人ともジャンルが違うんだけど、可愛いんだよなぁ。

憧れデス。


3人で私服デートは何回かあるけど、2人が声を掛けられる量がハンパじゃないんだ、これが。



その度に冷たくあしらう2人は楽しい。

あ、こないだもそう思った気がする。



‥なんて、ぐるぐる考えているとーー‥



「「出ー来たっ」」


綺麗に声を揃える2人。


目を開けて、目の前の鏡を見ると‥




違う人が映っていました。