実家の前に車を停めると
途端に緊張し始めた麗奈

そっと手を握ってやると
俯いていた顔を上げた

"大丈夫。
今日は挨拶だけだから…
俺の側で笑っていれば
いいからな"

頬を染めた麗奈


ゆっくりと手を離し
車から降りて玄関に向かう

ピンポ〜ン♪

玄関を開けるとすぐ
姉貴がいた

下を見ると沢山の靴

やっぱり全員いるんだ

少しゲンナリして奥に
行く

後ろを振り返ると
緊張した顔の麗奈と目が合った

麗奈の鼻をギュッと
軽くつまんで
親指で唇をそっと撫でる

"チューしよっか"
と言ったら

"も〜意地悪言わないで"
とちょっと拗ねた

少し緊張が解れたのか
麗奈の顔色が戻る

冷たかった手も
少し温かみが戻ったのを
確認して
ゆっくりリビングに入った