新郎の佐藤先輩に

"お前、実は本命がいるん
じゃないのか?"

と耳打ちしてきた


一瞬固まった


そうかもしれないな…

だって嫌いで離れた訳

じゃないし

むしろ無理矢理離れたし

酔った勢いもあって

先輩に麗奈の話しをした


どこまで話したのかは

忘れたけれど

先輩は黙って相槌しながら
俺の話しを聞いていた

先輩は

"来春会いに行けば?

彼女就職するんだろ?

会って自分の気持ち

確認してみろ"

と言われた

"お前らしくないな〜"

とバシバシ背中を叩かれた
そうだよな

会ってみて自分の気持ちに
区切りつけよう


そんな風に思っていた

その後

省吾との飲み会で

麗奈が卒業して銀行に

就職した事を聞いた

佐藤先輩に言われてから

随分たったが

省吾に見せてもらった

卒業写真に写る

麗奈は綺麗だった

その1ヶ月後


麗奈と運命の再会をした

でも

麗奈は俺を見ても

あの時の

"お巡りさん"

だとはわからなかった様だ

少しずつ

麗奈との距離を

縮めて行こう

そう思った…………

随分遠回りしたな…

」」」」」」」」」」」」」」」」