ソイツは俺に
気安く話かけてきた

俺は体調が悪い事もあり
余り愛想よく
対応できなかった

麗奈には俺が怒っている
と見えたのか
少し焦った顔をしていた

"どうです?
これからどこかに行って
一緒に飲みませんか?"

"えっと…私達はもう帰るの"

"え〜折角だから
行きましょうよ!"

"……いや…悪いけど俺…"
"じゃあさ、麗奈さん
俺らと行きません? "

あ"ー!何だと?

"悪いけど麗奈は
俺と一緒だから"

苛々しながら
麗奈の手を引きレジに向かう

ヤベー俺余裕無いや
だいたい麗奈だけでも
なんて有り得ねぇ!!

"ちょっと!ちょっと!
旦那さん!怒らないで
くださいよ〜"

"別に怒ってねーよ"

"そうっすか?参ったな〜
日本人見たら
つい嬉しくて懐かしくて
なってしまって…
新婚旅行中ですもんね
すいません"

"蓮?"

麗奈が腕を組んで仁王立ち
げっ………

"…… 俺の方こそ悪かった
体調悪くて今日は早く
休みたいんだ
君こそ頑張れよ"

何となくバツ悪かったけれど俺達はレストランを後にした

すっげえ気まずい雰囲気の
帰路は果てしなく
遠く感じた