それでも学校に来ることはやめない。


授業に参加することも


部活へ行くことも


無論、見えない将来を探すことすら…



不満そうに唸り声をあげる後輩も何もかもが何時も通りで、違うことがあれとすれば胸にぽっかりと空いた小さな穴が証明してくれる俺への小さな変化。


そして俺が『あの人』を好きになったことも。




「   」



どれだけ呼んでも返事はない。






風に掻き消されたあの人の名前は、俺の心に刻み込まれていた。



あの人とあったのも、丁度こんな晴れ渡った空の日だった気がする。





これからひとつ昔の話をしよう。


何処か変わったあの人と


今と変わらず空を見上げてぼんやりとしていた






あの頃の俺の話を。