-タンッ
「お見事。」
美空が拍手する。
あたしは自慢げにピースする。
「やっぱ、お前女じゃねぇーだろ。」
「うっさいなぁ。
まぁ、大地には出来ないよね。」
「はぁ?海波は俺を馬鹿にしすぎ。」
「だって馬鹿じゃん。ねぇー、陽。」
あたしは陽に同意を求める。
「俺から見たら、どっちもどっちだな。」
「…ってか、陽。何で起こしてくれなかったの!そのせいで危うく遅刻するとこだったじゃん。」
そうだよ、あたし的にこの問題のが重要なんだよ。
大地とかどうでもいいし。
「あぁ…起こしに行ったけど、なかなか起きないから。俺も遅刻になるだろ。」
「それでも幼なじみかよ!
あたし朝弱いんだから。明日からちゃんと起こしてよね。」
「はいはい。」
と、あたしと陽が話している間に、
「おぉい、海波ちゃん達。着いたぞぉ。」
ここまでいつもあたし達を運んでくれる漁師のおじちゃんが、本島に着いたことを知らせてくれる。
「今日もありがと、おじちゃん。」
一人ずつ降りながらお礼を言い、学校までの道を歩き出す。
「午後はいつもの時間だぞー。」
おじちゃんは手を振りながら叫ぶ。
あたしは目一杯手を振り返した。


