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「あぁー!もぅ!陽のバカァー!」
あたしは今猛烈に急いでいる。
だって、あとちょっとで島を出る船出ちゃうし!
何で陽、起こしてくれなかったのー!
船が出るまで残り一分を切った。
あの角を曲がれば、直線200メートル。
あたしの足なら35秒。
なんとか間に合う!
もう髪の毛とか制服とか、この際気にしない。
あたしは全力で走った。
角を曲がり、ラストスパートをかける。
船はもう目の前。
陽、美空、大地は涼し気な顔でこちらを見ている。
あと10メートルってとこで、最悪。
船はゆっくりと離れていく。
負けてたまるか!
あたしは、思いきり地面を蹴り上げた。


