海風~駆け抜けた青春~




-プルルルル






「…うっさい。今何時だと思ってんの。」





「良いじゃん。どうせ、まだ寝てなかったんでしょ?」







「…で、何の用。」





携帯の向こう側からは冷たい声。






「美空冷たい。もう少し幼なじみを労ろうよ。」






「労るほど落ち込んでる声じゃないけど。」







「ひっどっ。今ので超傷ついたぁ。」






あたしはショックを受けた様な声を出す。







「…切るよ。」




「あっ、ちょ、ちょっと待った。」






美空だったら本当に切ってしまうだろうと思い、急いでとめる。









「何?早くしてよ。あんたに付き合ってると夜が明ける。」






あたしは簡潔に伝える。






「夏祭行こ!」







「…毎年行ってんじゃん。



あ…海波、また海咲さんのこと言われたんでしょ。」








あたしは仰向けになる。






「…美空の声、聞きたかっただけ。」







あたしはフッと笑った。







「そっ。じゃ。」







プツー







切るの早っ。















さて、寝るか。





あたしは携帯を閉じ、そのまま眠りについた。