海風~駆け抜けた青春~






~大地Side~







海波の奴、また陽にくっついて。


俺だって結構速いのに…








シャワーを浴び、上半身裸で、アイスをくわえながらリビングをうろうろしていた。







そこに、はるこさんが帰って来た。









「大地君。帰ってたの?ちょっと買い物に出ててね。」







「…あぁ、そう。」







首から下げたタオルで、まだ水の滴る髪を拭く。









「今日の晩御飯は、カレーよ。大地君、好きよね。」








「昔ね…はるこさんが来る前だよ。」








俺はリビングから立ち去る。












どうせまた、私ってかわいそうって顔で俯いてるんだろ。



あぁ…むしゃくしゃする。








振り向いて、気の利いた言葉でも掛ければ機嫌は良くなるだろう。


でも、俺は絶対しない。









そのまま部屋に戻った。