「ばれたか、じゃねぇよ。自分で泳げ。」
「だって、陽速いんだもん。大地使えない。」
「おまっ…俺だってなぁ、速く泳げんだぞ!そりゃもう、金を取れるんじゃないかってくらいなぁ…」
「寝言は寝て言え。」
美空が大地の頭を小突く。
「いってーなぁ。」
「言いすぎ。ばっかだねぇ、大地は。」
あたしも背中をおもいっきり叩く。
「いてぇ…お前ら俺を何だと思ってんだよ。」
「「単純馬鹿。」」
「ひっでー…」
うなだれた大地に陽が一言。
「ドンマイ。」
と言って大地の肩を叩く。
更にうなだれる大地を見て、あたし達は声を出して笑った。
太陽は真上から照り付ける。
あたし達の夏はこれから。