「ねぇー陽、良いでしょ?どうせ暇なんだから。パーッと泳ごうよ。ね?」
「まだ早いだろ。」
前を歩く陽の腕を掴みながら、あたしはもう一度誘う。
「いーじゃん。大地も一緒だよ。」
「俺良いって言ってないし。」
「大地は強制。
ねっ良いでしょ?」
あたしは陽の腕を揺する。
「二人で行ってこいよ。」
陽はちらっと大地を見る。
「だって、陽のが泳ぎ上手いじゃん。」
頬を膨らましてみる。
「…おい、海波。お前また俺につかまって楽するつもりじゃないか?」
陽があたしに冷たい視線を送る。
「ちぇっ。ばれたか。」
あたしは陽の腕を離す。


