ただの幼なじみ。
それ以上でもそれ以下でもない。
あたし達は、そんな関係だから、こんな関係だからこそ、固く結ばれている。
「そうだ!美空。島帰ったら泳ごう!」
「…海は見るものでしょ。」
「広大な海を前にして、泳がないってどうよ。」
「…あんた馬鹿?
潮臭くなんじゃん。髪もぱさぱさになるし。」
呆れたように美空が言う。
「あんたそれでも島っ子?まぁ良いや。陽と大地誘うし。」
「ありがたい。あたし焼けたくないし。」
美空はそう言って、席へ着いた。
「席着いてー。出席とるわよー。」
あたしは持っていたかばんを机に掛け、椅子に座った。


