『あのね、検査によると子宮に腫瘍が有るみたいなの。

で、でも、まだ、そうと決まったわけじゃないし、大丈夫よ。』


お父さんは黙ったままだったがお母さんは慰めるように言った。


だから、何となく自分が癌に侵されているのが分かった。


『ふ〜ん。じゃ、もうすぐ帰れるね。

奈美は今日、部活で忙しかったのにご飯お預けなんて可哀想だし、早く帰ろうね。』


でも、気付かない振りをした。

私よりも泣きそうなお母さんとお父さんの顔を見ると辛いんだな、って思った。