「間違ってました?」

不安になったあたしは

先輩に尋ねてみた。

「いや、あってるよ」

じゃあなんで…って聞こうとしたら

「莎夕ちゃんて、鈍いね」

「え?先輩?」

じりじりと先輩の顔が近づいてきたので

反射的に顔を背けてしまった。

「俺は、莎夕ちゃんのこと気になってるんだけどな」

「あの…」

あたしが、席を立とうとすると

ドン!!

「きゃっ!先輩?」

湊先輩は、あたしを机に押し倒してきた。

「莎夕ちゃんから誘ってくれるの待ってたんだけどな」

「え…?」

あたしはなみだめになりながら先輩を見る。


「なみだめとか良いね、そそるよ」

くすくすと笑う先輩は

怖くて、あたしはなにも言えなかった。