返事が出来ないでいる僕を見て彼女は少し慌てて言った。 「すみません。唐突に…」 「いや…そんな……」 ふと、空を見上げてみると、さっきまでは孤独を感じさせていた筈の月が何となく優しく見えた。 「本当…月って不思議ですね」 ぽつりと呟いた僕の言葉を聞き、彼女はふわりと微笑んだ。 そして、何かを思い出したかのように公園の時計を見た。