月のプレゼント




「裕樹…ごめん、別れよう」
3年間付き合っていた年上の彼女から別れを告げられた。
理由は「他に好きな人ができたから」らしい。
仲間の前では平気なフリをしていたけれど、正直辛かった。
あの日から何となく夜の公園に行っては空を眺めていた。
三日月は、街灯が少なく薄暗い公園を照らす。
この世界には僕しかいないんじゃないか。と感じるくらい静かだった。