月のプレゼント



ある日、帰ろうと彼女が立ち上がった時に言ってしまったんだ。
「もう…帰るの?」
困らせると分りつつ、彼女の顔を見つめた。
彼女は少し考えたあと、微笑んで再び座った。
嬉しかった。
僕の我儘を聞いてくれたこと。
まだ、彼女と一緒にいられること。