不器用なシタゴコロ


…あ、れ…?

今の顔って…。

どこかで見たような気が…。





「さ、次の水槽行こうか」





そう言葉を発したとーやクンは。

さっきとは違う。

見慣れた優しい微笑みを見せた。





…その微笑みに。

また“ドキッ”と心臓が音をたててしまう。





「ほら、行くよ」





“スッ”と背中側の温度が下がったかと思ったら。

とーやクンは私から離れ。

隣の水槽へと足を進めていた。





「ちょっ…待ってよ!!」





私は急いでとーやクンの後を追った。





…さっきから、おかしいんだ。

くっつかれたらドキドキして。

離れられたら…。

寂しいって感じてる。

心臓の音が跳ね上がったり。

体温が上がるのが自分でもわかったり。

私、どうかしちゃったのかも…。