そのままとーやクンは言葉を続けた。
「でもその歌詞読んだミズキくんに色々気付かれて。
ケイチャンも亮チャンも悪ノリしてくるし。
半ば強引にあの曲やることになったってワケ」
何かを思い出したように。
とーやクンはため息を吐いた。
「…俺的にはやる気まったくナシ。
むしろシャレで作った程度だからライブでなんかやりたくなかった。
で、断固反対してたら…」
『…してたら?』
「ミズキくんがキレた」
『…は?』
「頭ン中でばっか恋愛してっからこんな妄想すんだろが、このムッツリスケベ…ってさ」
…ミズキクンが、キレた…?
その図を思い浮べようとしても。
…想像できない…。
「その後は売り言葉に買い言葉。
妄想ばっかじゃねぇトコ見せてやるって、タンカきっちまった」
そして。
小さくため息を吐くと。
とーやクンは私に視線を向けた。
「…だからさ」
『え?』
「最初ッから、ウソだったんだよ」