とーやクンがいなくなったリビングが。
やけに広く感じる。
私は。
ため息をひとつ吐くと。
ソファーの上で膝を抱えて座った。
…これから。
とーやクンが戻ってきたら。
私はどうなっちゃうんだろ…。
とーやクンは“抱く”とか“ヤッちゃう”とかフツーに言ってたけど。
…本気で言ってたのかな。
ひょっとして。
それすらからかわれてたとか。
いやいや、ありえない話じゃない。
なにせ相手はアーティスト。
私なんかより。
もっと可愛くてスタイルもよくて。
華のある女の人と知り合う機会なんかいくらでもある。
…やっぱり。
からかわれてるのかな…。
『…ハァァァァァ』
ため息が止まらなくて。
抱えた膝に顔を埋めた。

