不器用なシタゴコロ


それから。

とーやクンも私も。

とーやクンのマンションの駐車スペースに車を収めるまで。

繋いだ手を離さなかった。





握手をするように繋がれていた手は。

いつの間にか指を絡めて“恋人繋ぎ”になり。



時折組み替えられる指先が動くたびに。

私の心臓は。

“ドキン”と跳ね上がった。







「…ねぇ」

『ん…?』





真夜中のエレベーター内。

今まで黙っていたとーやクンが口を開いた。





「柚、俺の気持ちが知りたいって言ったじゃん?」

『…うん』

「俺も柚の気持ちが知りたい」

『え…?』





頭一つ違うとーやクンを見上げると。

唇を“キュッ”と結んで。

真面目な顔をしたとーやクンと。

視線が交わった。