不器用なシタゴコロ


涼しいと思ってた店内も。

節電対策とキャパオーバーしそうなこの密度のせいか。

冷えっとした気持ちのイイ感覚は得られなかった。





「やっぱ同じような人だらけだね〜」





沙保が。

プラスチックの容器に入ったシェイクをズルズルと吸いながら言う。





『開場時間前になったら一気にいなくなるケドね』

「ウチらもだけどさ」

『まーね』





沙保の言うように。

周りの席も多分2sbBのライブに行くんだろうなって人ばかりで。

念入りにメイクを直していたり。

2sbBの話をしていたり。





「…気になってたんだけど、聞いていい?」

『なに?』





急に真顔になった沙保が。

真面目な口調で言葉を発した。