「物販並ぼうと思ったケド…。
やっぱ半端ないね…」
苦笑いを浮かべる沙保に。
つられて苦笑いになる私。
会場横の広いスペースは。
パーテーションで区切られた長蛇の列。
正直、開場までに買えるのかも怪しい感じ。
『開場までまだ時間あるし、ブラブラしてよっか』
「…そうだね」
沙保はかなり後ろ髪引かれてたけど。
…この暑さ。
昼過ぎの照りつける陽射しに。
勝てる術なんて持ってない。
歩きながらちょこちょこ振り返る沙保を横目に。
私は涼しい場所を求めて歩きだした。
「…すご…」
『…コスプレイヤーばっか…』
会場近くのファーストフード店は。
人口密度もそうだけど。
異色の空気を放っていた。
それでもなんとか2人分の席を確保して。
沙保と私は。
腰を落ち着けた。

