「柚!!早く!!」
『席は指定席なんだから逃げないよ…』
「そうじゃない!!気分的な問題なの!!」
亮ﾁｬﾝと居酒屋で遭遇して以来。
ﾃﾝｼｮﾝの高いままの沙保の後をついて歩く私。
1ヶ月前の私のﾃﾝｼｮﾝ。
どこにいっちゃったんだろうなぁ…。
ﾗｲﾌﾞ当日。
開場は夕方からなのにお昼を少しまわったこの時間から。
駅周辺には明らかにｺｽﾌﾟﾚをしてる人や。
ﾗｲﾌﾞの話をしている人がたくさんいた。
…もちろん沙保もそのひとり。
ｺｽﾌﾟﾚこそしないものの。
いつものｷﾞｬﾙ系とは違い。
ﾋﾟﾝｸと黒のﾛﾘｰﾀﾌｧｯｼｮﾝで参戦。
「柚もﾛﾘｰﾀ着ればいいのに」
『や、ｶﾝﾍﾞﾝして』
「非日常な時間を味わえますよ？」
『…遠慮しときﾏｽ…』
そんな私は。
黒ｼｬﾂにﾈｸﾀｲ、七分丈のﾁｪｯｸのﾊﾟﾝﾂ。
ｳｫﾚｯﾄﾁｪｰﾝに厚底の靴。
ｺﾞｽﾊﾟﾝっぽい感じ。
いつもはこんな服着ないのに。
ﾗｲﾌﾞ楽しみにしてましたって。
言ってるようなﾓﾝだよね…。
