「柚ーっ!!最悪っ!!」
電話を終えた沙保がこっちに向って歩いてきた。
「…どしたの?」
できるだけ平静を装って返事をする。
沙保に知られたら。
またおもしろがるに決まってる。
「バイトいないから出勤してくれだってぇ」
「マネージャーまたシフト間違えたんだね」
「もー最悪だよーっ」
…マネージャー、よく人数確認しないでシフトつくるから…。
ご愁傷さまです…。
「とりあえず明日休みくれるみたいだし出勤するわー」
「仕方ないね」
「手が足りなかったら柚があいてるってマネージャーに言っとくよ」
「それはやめて」
そんなコト言ったらホントに連絡来るし。
時刻は午後3時。
遅番の出勤時間にはギリギリ間に合う、かな?
「じゃ、またね!!」
「いってらっしゃーい」
私に背を向け走りだす沙保に。
小さく手を振った。