不器用なシタゴコロ


昨日あれだけ泣いたのに。

涙はまだ枯れてくれない。





『…ライブでわかるってなに?』





私は。

落ちてくる涙を見られたくなくて。

俯き、拳をギュッと握った。





『引っ掛かるか賭けました〜って笑い話にでもするつもり?』

「違…ッ!!」

『昨日ミズキクンは話そうとしてくれた。
でもとーやクンはそれを拒んだ。
…それが“事実”でしょ…?』





…忘れたいのに忘れさせてもらえない。

頬を伝って涙はアスファルトに落ちていくのに。

止める術がわからない。





『…“誰と”一緒にいたいのか。
自分でやっとわかったのに…ッ』





心の奥から絞りだすようにして出た本音。





でも。

それはもう。

誰にも…本人にすら伝わらない。





いや。

伝えるつもりなんてなかった。