不器用なシタゴコロ


「…たしかに、暑い…うん」



首元をパタパタと手で仰ぎながら近寄ってきたのは。





『…ミ、ミ、ミ…ミズキクン?!』

「お疲れさまッス」





ついさっきまで。

中で亮チャンと話し込んでたのに。

なんでココに?!





…名前は呼んでみたけれど。

それ以上言葉が出てこなくて。

パクパクと口を動かすだけになってる私。





「あ、金魚だ」





クスリ、と笑うミズキクンに。

ますます恥ずかしくなって俯いてしまう。





と、その時。

不意にアルバムのことが脳裏を過った。





…お礼、ちゃんと言わなきゃ…ッ!!





『あの…ッ、アルバム…ありがとうございました!!』





勢い任せのお辞儀は。

“ペコリ”なんて可愛いモノじゃなくて。

どこかの軍隊のようだった。