こんな近くで話が…。
声が聞けるなんてそうそうあるもんじゃない。
そこんとこわかってよ、須賀チャン。
でも。
こちらも仕事中。
仕方ない、か…。
“生で2sbBが見れただけで満足”と。
自分自身を無理矢理納得させ。
…この場にはたっぷりの未練を残して。
先にキッチンに向かった須賀チャンの後を追いかけた。
―そんな私のことを。
少し前から眉間にシワを刻んで見ていた人間がいたなんて。
今は知る由もなかった。
『…須賀チャンの鬼ッ!!』
「仕方ねぇだろ?ジャンケン負けたんだから」
『それでもフツーは“やっぱ代わるよ”とか言わない?!』
「…ジャンケンは公平ですから」
『…………鬼』
出来上がった料理を運び終えると。
私はこの夏の暑さの中。
外に出された。
…掃除をするために。

