不器用なシタゴコロ


「…なッ…にしてん、だよ…っ!!」





…え…ッ?





その声に“ガバッ”と顔をあげると。

そこには。

“ハァハァ”と息を切らせて額に汗を浮かべた…。

とーやクンが、いた。





「…とーや、クン…?」

「勝手にいなくなるな!!」





ビクッ。

突然降ってきた大きな怒鳴り声に、体が固まる。





「戻ってきていなけりゃ心配すんだろ!!だいたいなんでこんなとこにいんだよ!!」





眉間に刻まれたシワの深さが。

怒りの深さを物語る。





かなり怒ってるのはわかる。

…けど。

なんで私が怒られなきゃならないの…?





私は。

とーやクンを見上げて口を開いた。





「…勝手にいなくなったのはとーやクンの方じゃない…」