あの時の僕たちへ




「妊娠したかも。」



高校の入学を終えて
もう春が終わる6月の事だった。

私の親友ナツミが
妊娠2ヶ月だと分かり
私(レイ)はすぐに
相手を問い詰めた。
ナツミには彼氏がいない。
小学も中学も一緒でいつも
どんな時も2人でやってきたから
ナツミのことはよく分かる。

私もナツミも見た目は決して
"真面目"じゃない。
髪を派手に染めて、
耳にはいくつかのピアス、
カラコンにつけま、
制服を改造して着て
とても流行りに敏感だった。

でも心だけは
それなりに"真面目"だった。



「彼氏いないよね?」

私は雑音にまみれた教室の隅で
ナツミの腕を掴みながら
小さな声で問いかけた。

「いないけど好きな人はいた。」
「じゃああいつと?」
「‥うん。だから‥」
「ソーマとの子供ってわけか」

そう私が言うと
ナツミは黙って頷いた。