「準備運動始めーっ!」
キャプテンの指示に従って柔軟をはじめる。
「伊藤、伊藤っ」
「ん?」
木崎功介。
隣のクラスだけど、サッカー部同士ということで仲良くなった。
「オマエ、あの橘と幼なじみってホントか?」
興味津々な顔できいてくる木崎。
「ああ…まあ…」
やっぱり有名なんだな涼介は…。
あんなんだけど。
「マジで!?すっげー!」
「いやいやいや…」
そんな大層な奴なのか?あんなのが…(笑)
「あっ、あれ橘じゃね!?」
「え、」
グラウンドを囲むフェンスを通して見えた、自転車で二人乗りしてる涼介とひかるの姿。
…何故かこいでるのはひかる。
逞しいなあアイツ(笑)
涼介はだらだらした顔で荷台に座ってる。
「前に乗ってるの誰だ?可愛いな〜♪」
「はっ(笑)」
「なに笑ってんのオマエ?」
「いやなにも…(笑)」
あんな野ザルみたいな女が可愛いのか…(笑)
