あたし達が生まれた場所は、単なる田舎町。


カラオケ屋がたくさんあるわけでもなく、

そこらじゅうにコンビニがあるわけでもない。


代わりにあるのは山と川。


そんなんでもあたしはこの町が良いんだ。


てゆーかこの町しか知らないんだけど。


「ひかる、航太くん達もうきてるわよー!」


「わーかってるよ!」



片岡ひかる15さい。

つい最近高校1年生になりました。



「遅くなってごめん!」




朝、玄関を飛び出すと
いつもの二人が立っていた。…いや、一人は寝てる。



「おはよう、ひかる」


「航太おはよー、で隣のこの人はどうして寝てるのかな」


「こんなに待ってる時間がもったいないって、立ちながら寝る技を身につけたらしい」


「…それはスゴいね(笑)」


「コイツにできないことなんて早起きぐらいだからな(笑)ほら遼介、起きろ」


航太は遼介の肩をつついた。



「んが…」


「遼介!学校いくよ!スイッチ入れろーっ!」


「わーってるよ、航太、チャリこいで」


「また俺!?」


「俺今日は眠いからヤダ」


「………」


渋々自転車に乗る航太。

続いてあたしと遼介も乗る。

いわゆる三人乗り。



「いくぞ!しっかり捕まれーっ!」


「「はーい」」