公園で絡まれた時以来、

体を鍛えなければって、

それしか頭になかった。

でも、

史佳の、

心の淋しさを埋めたり、

苦しい気持ち、

悲しい気持ちから守るのだって、

大切なんだってことを、

どうしてボクは、

忘れていたんだろう?



本当にバカだ、

ボクは。


やっとコンビニに到着。

史佳はボクを見つけた瞬間、

走ってコンビニから出てきて、

ボクの胸に飛び込んできた。

そして、

ボクの胸で、

史佳は号泣した。


「ごめんな、史佳。ボク、史佳を守りたくて空手を習っていたんだ。力で負けたくないから、強くなりたかったんだ。ごめんな。淋しい思いをさせてごめんな。」


何も言わずに、

ずっと泣いてる史佳を、

ボクは抱きしめた。