少しだけ、

車の音が聞こえた。

史佳はまだ帰宅してないのか?

そういえば、

時間の感覚がなかった。

時計を見たら八時半だった。


「史佳、今どこにいる?」


「いつもの本屋の隣のコンビニ。」


「今すぐ行くから、動かないで待ってて。あ、でも危ないから、コンビニの中で待ってていいから。」


「うん。」


電話を切ったと同時に、

ダッシュで家を出た。


「ちょっと有希!どこ行くの?」


お母さんの声を無視して、

急いで史佳が待つコンビニに向かった。



ボク、



本当にバカだ。

守るって、

力だけじゃないよな。

心だって大事だよな。

何でそれに気づかなかったんだろう?