ボクは誰?

ボクが先に歩いて、

ラブホの中に入った。


「いらっしゃい。」


年配の女性が受付にいた。

ダメ元で聞いてみるか。


「あの、さっき入った学生のカップルに頼まれて、忘れ物を持ってきたんだけど、あの二人ったら、部屋番号教えてくれなかったんです。電話しても夢中らしくて出てくれないし。どこの部屋か教えてもらえますか?」


「あら?さっきも同じように聞かれたわね~。」


!!!


絵美だ。

思わず雅史の顔を見たら、

雅史も状況を把握したらしく、

真剣な表情になった。


「それと一緒にプレイしようって誘われちゃって、だから部屋番号を教えてもらえますか?」


「そう言いながら、タダで使うつもりかい?」


「いえ、その隣の部屋が空いていたら、私達も入ろうかなーって思って。」


その言葉を聞いた雅史は、

慌てて財布の中身を確認していた。