ボクは誰?

そっと雅史が、

ボクを抱きしめた。



雅史の温もりに抱かれて、

焦っていた気持ちも、

パニクっていた頭の中も、

だんだん落ち着いてきた。



人の温もりって、

こんなすごい力があったんだ。


「雅史、ごめんな。」


「謝るなよ。」


「わかった。ありがとな。」


「もう大丈夫か?」


「うん。大丈夫。じゃあ、入るぞ。」


「え?は、入るの?」


「ああ。ここにいてもしょうがねーだろ?」