ボクは誰?

雅史、

力をありがとう。

ボクはまた、

立ち上がって走り出した。



ふと、

閃いた。

試しに電話をかけてみた。


「絵美。どこにいるんだ?」


出ないと思ったのに、

絵美は電話に出てくれたのだ。

でも、

絵美は何も言わない。



「絵美。すぐ絵美のそばに行くから、どこにいるのか教えてくれよ。」


それでも何も言わない。

しかしかすかに背後に、

外の音が聞こえる。

ボクは、

その音を頼りにしたいから、

必死で話しかけ続けた。