「絵美、待てよ。違うだろ?」


「ボクちゃん、どうして?」


「ボクがクラスで一人になったきっかけは、絵美、お前だろ?お前がボクを『ボクちゃん』って言ってからだろ?」


「え?有希。それ本当?」


「史佳。これは本当だよ。高校生になってから、すぐに絵美はボクに話しかけてきたけれど、ボクが『ボク』と言ったのを聞いて、絵美は『ボクちゃん』ってからかった。そしてそれからは雅史と晃以外は話しかけてこなかった。中学の時に仲良かった早紀ですらな。」


「早紀も?ひどい。」


「絵美。そういうことだ。そこんとこ間違ってる。こういう状況にしたのは、絵美、お前だろ?それでも『仲良し』と言えるか?それでも『親友』と言えるか?」


ボクがそこまで言ったら、

絵美は急に泣き出した。


そして泣きながら、

走って行った。