「どうかしたの?ボクちゃん?」


「いつボクが絵美と仲良しって言ったよ?」


「絵美とは仲良しでしょ?」


ふと、

史佳を見たら、

涙を浮かべて、

唇を噛み締めていた。

悔しさをこらえた表情だった。


「ボクの親友は史佳だし、絵美は今までずっと『ボクちゃん』ってからかって、楽しんでいただけじゃないか。それに絵美は雅史か晃が好きなんだろ?」


「雅史?晃?全然好きじゃないわ。」


あれ?

いつもボクと一緒にいると、

雅史や晃の名前が出るから、

てっきり絵美は、

どっちかが好きなんだと思ってた。

違ったのか?



頭の中が混乱してきた。

整理しなくては。


「高橋さんは、絵美にとって親友なの。わかる?親友は絵美だけでいいの。わかる?」


「わかりません!」


史佳が、

絵美を睨みつけて、

強い口調で反論した。

しかし、

絵美はめげなかった。


「高橋さんは、絵美がいなかったら一人だったの。だから絵美がそばにいなきゃダメなの。」