「有希、どうしたの?」


ベッドの中で、

じっと天井を見つめていたら、

史佳が話しかけてきた。


「ん?考え事。」


「もしかして、この間話してたこと?」


「うん。」


「私が有希のお母さんに話してあげようか?」


「いや、一回だけお母さんには話したんだ。」


「そうだったの?それで、有希のお母さんは何て言ってたの?」


「何となくわかってたって。」


「じゃあ話は早いね。有希のお母さん、優しいからわかってくれるよ。」


「うん。でも怖いんだ。」


「怖い?」


「ボクの言葉で、この家庭が壊れてしまうんじゃないかって。うまく言えないんだけど、漠然とした恐怖心とか不安とかがあるんだ。」


その時、

史佳がボクのところに来た。


「大丈夫!私、有希の味方だから。そばにいるから。ね?」


「史佳、ありがと。」


その時、

史佳の手が、




ボクへ近づいた。