今は、

そんな史佳を独占している。

今の史佳の表情も、

史佳の声も、

今だけは、

ボクだけのものだよね?



できるなら、

このまま、

永遠に時間が止まって欲しい。



食べ終わって、

お風呂に入ってから、

ボクはベッドに寝転ぶ。

史佳は、

隣に敷いてもらった布団に寝転ぶ。


「懐かしいね、こうして有希と一緒に寝るの。」


「そうだな。」


「高校に進学してから、お互い色々変わっちゃったもんね。」


「そうだな。」


「そういえば有希は、高校を卒業したらどうするの?」


「え?」


「進路だよ。」


まだ将来って、

漠然とし過ぎていて、

よくわからない。


「んー。まだ決まってないなー。」


「何かしたいことってないの?」


「特にない。」


「そうなんだー。」


「史佳は卒業したらどうする?」


「私ね、美容師になりたいの。」


「へー。」


「だからそういう学校に進む予定だよ。」


もうそんな将来まで、

決めていたんだ。

ボクは、

特になりたいものはない。

一つ以外は。

ボクは男性になりたい。