新学期が始まった。

ボクにとっては、

つまらない学校生活。

全てが灰色に見えてくる。

中学の時もそうだったけれど、

高校に進学しても、

部活には一切入らなかった。



ボクは自分から友達を、

作ることはしなかった。

史佳以外の女の子には、

全く興味がなかった。

でも一番の理由は、

あのグループが苦手だった。


「高橋有希さんっていうんだ。」


教室で本を読んでいたら、

急に話しかけられて、

ボクは声の主の顔を見上げた。

正直、

ボクの苦手なタイプ。

髪の毛は茶髪だし、

チャラチャラしていて派手な感じ。


「うん。よろしくね。」


見かけない顔だから、

たぶん受験して、

入学してきた生徒だろう。


「高橋さんって、彼氏いるの?」


きた。

どうして女子って、

こういう話ばっかりなんだろう?


「いないよ。」


なるべく関わりたくないから、

そっけない返事だけにした。


「へー。かわいいのに。」