「よかったな。史佳はずっと前から、大貴が好きだったもんな。」


「うん。もう嬉しくて嬉しくて、夢なのかな?って何度もほっぺをつねっちゃった。」


「マジでよかったじゃん。」


作り笑いをして、

無理して明るく話すボク。

史佳には、

気づかれないようにしなきゃ。

本当は、

カミングアウトした勢いで、

史佳にも話してから、

ボクが史佳に、

告るつもりでいたのに。


「一番に有希に伝えたかったの。それに興奮してるのか、なかなか眠れなかったんだー。」


「でも早く寝ないと、明日の学校がきついぞ?」


「そうだね。なぜか有希に話したら、気持ちが楽になったのか、眠くなってきた。」


「じゃあ、もう寝ようか。」


「うん。有希、おやすみ♪」


「おやすみ。」


ボクはますます、

眠れそうにない。

ボクが男子だったら、

よかったのに。

自分の運命を、

呪いたくなった夜だった。