♂GAME♀


今度こそ本当に行き止まりだ。
輝の許可なんて貰えるわけがない。

私は……輝のものになるしかないの?

『今度は輝くんといらっしゃいな』

ふふっと笑う園長さんに、嘘でも笑顔は見せられなかった。

この人は、味方じゃない。
そう思ってしまったから……

『輝は……来ません』

もう、どう足掻いても無駄なんだ。
私には、降参しかない。

『輝は絶対に来ない…… だって私が苗字を知ったら、自分が負けちゃうもん』

情けないけど、涙が溢れそうだ。

悔しくて、そして悲しい……

『じゃあ、輝くんに伝えてくれるかしら』
『え?』
『失(ナ)くしたモノを見つけたいなら、自分で来なさい。と』

強い口調。
強い視線。

ハッキリと言った言葉に、浮かんだ疑問。

失くしたものって?
咲耶が言った事と関係があるの?

【誰か自分を見つけてくれないか】

そういう事なの?

『あの……それって……』
『貴方には迷惑をかけてしまってるみたいだけど、嫌わないであげてね……?』

いや、あの、嫌わないけど。
そんな事より、やっぱり輝は……

『きっと彼は貴方を気に入ってるのよ。 貴方を一目見た時に思ったわ』

気に入ってる!?
輝が私を?

そりゃ、嫌われてはないって前から思ってたけどさぁ。

でも恋愛対象ではないような気もするし。

ってか、オモチャって感じ?

『あの、輝と私は……』
『ふふ、輝くんと仲良くね』

仲良くってぇ~!
私の話聞いてよ!!