面接の電話をしてから2日後。
登録&説明会みたいなものがあって、沢山の人が来ていた。
簡単な面接をして書類を書いて、印鑑を押して終了。
後は仕事を選ぶだけ。
仕事を決めたら小さな紙を貰って、次の日に現場に行けばいい。
どうせ日雇いだもん。
どんな仕事だっていいし。
なんて軽く思ってたのが間違いだった。
『きつい……』
私の選択したのは、宅配業者の仕事。
関東地方に運ばれる中学校の教科書を箱詰めするのが仕事だった。
一冊ずつ10種類以上の教科書を箱に詰めてガムテープで貼る。
その後にラベルを貼って、トラックに乗せる。
はっきり言って力仕事。
こんなん男がやってよ~って感じ!!
まぁ、文句言ったって終われるわけじゃないし。
しかも帰りはなんと、9時を過ぎてしまった。
立ち仕事でむくんだ足を引きずるように歩き、やっとの思いで家に帰った。
ダルくて眠くて、お風呂もめんどくさくなっちゃうくらい。
でもいつも9時に仕事を終える智志を思ったら、こんな弱い自分を恥ずかしく思った。
結局、私は日雇いなんだから、明日お給料をもらい、明後日の仕事を紹介してもらう。
智志とは違う。
辞めたい時は辞めればいいし。休みたい時は仕事を申し込まなければいい。
責任感ってものも、使命感ってものも。
全て智志の背負ってる重みに敵わない。
……ま、無職よりはマシだけどね。
『はい。 お疲れ様でした』
次の日の朝一番。
事務所で初のお給料を貰う。
残業代もついて11000円なり。
我ながらよく頑張ったんじゃないかな?って思う。
『あ、向こうの方がよく褒めてましたよ』
って……マジで!?
『私がですか!?』
『ぜひまた来てほしいそうだよ。 おかげでうちも鼻が高いよ』
なんて言って鼻を天井に向けて笑う所長さん。
うわ、うわぁ……
仕事で褒められるのって、気持ちいい~!

